社会福祉士座談会

社会福祉士座談会(開催日:2018年11月27日)

参加者:林田哲弥社会福祉士、山本雄三社会福祉士、梶原好恵社会福祉士

①社会福祉士を目指した理由を教えてください。
②当事務所に入所した経緯を教えてください。
③当事務所の案件で苦労していることとは何ですか?
④社会福祉士を法律事務所で雇用するにあたり,工夫すべきことはなんですか?
⑤今後,どのような活動に幅を拡げていきたいと考えていますか?
PT:そもそも社会福祉士を目指したのはどうしてですか。林田さんから。

林田(以下「H」):はい。僕の方はもともと高校が普通科だったんですけれども、特にその福祉系に進みたいっていう思いがあったわけじゃなくて、親族が医療関係であったり、福祉関係の仕事についていたという影響もあってか、福祉大学の方に進学しました。それで途中からコースが分かれるんですけど、認定心理士という資格が取得できるコースに行きたかったんですが、漏れてしまって精神保健福祉士取得コースに入って、大学卒業後は精神科病院のソーシャルワーカーとして働いていました。元々大学が社会福祉士と精神保健福祉士両方取れる大学だったので、卒業して資格を得た感じなので熱い想いがあって(社会福祉士を)目指したわけではありません。

PT:ソーシャルワーカーは何年やっていたんですか。

H:精神科のソーシャルワーカーは約9年やっていました。

PT:職歴としては精神科のソーシャルワーカーの後にパブリック入所ですかね。

H:そうですね。

PT:じゃあ、山本さんはどうですか。

山本(以下「Y」):社会福祉士を目指した理由は前職で介護職をしていまして、その時に本人のケアだけじゃなくてもうちょっと権利擁護に目を向けていきたいと思いました。権利擁護について新聞とか見出しで見るたびに興味が出てきて、そういう仕事に就きたいなと思ったのが社会福祉士を目指したきっかけです。

PT:そうすると前職で働いている時に(資格取得を)目指すようになったっていうことですかね。学生時代ではなく。

Y:はい。

PT:わかりました。じゃあ梶原さん。

梶原(以下「K」):私は前職で、障害を有する方の支援をしていました。長く現場で支援していたので、社会福祉士でなくてもできるんですが、続けていく中で自分のやっていることに裏付けが欲しいなあということで資格を取得しました。

PT:前職はどういった仕事なんですか。

K:知的・発達障害を持たれている方の支援をする仕事です。実際には大きな法人だったので入所施設や、通所施設、障害児の施設でも働いていました。

PT:じゃあ仕事をしていくなかで社会福祉士の資格をとろうと思ったということですね。

K:そうですね。

PT:次の質問、「パブリックに入所した経緯を教えてください」になるんですが。さっきの順から逆に梶原さんから(笑)。

K:さっきの続きになるんですけど、障害を有する方が意思決定をすることの難しさ、そもそも意思を表出するのが難しい方も多い中で、意思決定支援に興味を持つようになって、どこまでご本人の意思を汲み取れるかっていうところではあるんですけど、その延長線上に後見の仕事があるイメージがあって、ちょうど(パブリックの)求人もあったのでということなんですが。

PT:やっぱり意思決定支援として、後見事件を担当したいというのが動機ですか。

K:実際には、パブリックの弁護士のお話を聞く機会もあったので、面白い求人だなっていうのはありましたね。

PT:もともとこの岡山パブリック法律事務所のことは知っていて、後見事件をやっているのも知っていて、求人がでたので手をあげてみたという感じなんですね

K:そうですね。

PT:じゃあ山本さん。

Y:私は、社会福祉士の資格取得を目指して通信制の大学に通っていたんですけれども、その大学で西尾先生と一緒になりまして、実習先も一緒でした。そこで色々お話をお聞きして、権利擁護とかそういう仕事がしたいというお話をして入職に繋がったっていう経緯があります。

PT:そのとき西尾弁護士は後見センターのセンター長でしたかね。

Y:そうですね、センター長でした。

PT:大学は日本福祉大学の通信課程ですか。そこでパブリックを知った感じですかね。

Y:そうですね。

PT:割と一本釣りに近い感じですね(笑)。

Y:(笑)。

PT:ノーコメントですね、ここは。じゃあ次は林田さんお願いします

H:はい。僕も先ほどの話の続きになりますが、先の話で終わってしまったらなんとなく福祉士になったことになってしまうけれども、前職の精神科病院に被後見人の方の担当としてパブリック法律事務所の社会福祉士の方が来られて話をする機会がありました。その時に法律事務所に社会福祉士がいるということを知りまして、興味をもってその方に色々聞いて、自分でも後見人として行ってみたいということで、社会福祉士会の成年後見人養成研修を平成22年頃に受講しました。活動し始めたのは平成23年頃なので7年ぐらいになるんですけれども、やはり後見をやっているとパブリックの事件件数の話であったり、後見といえば、パブリック法律事務所というよく聞いていたのでもっとケースを持って、もっと勉強したいなという思いがあったのでパブリック法律事務所を受けたというところですかね。

PT:後見事件をご自身で持っていて、案件をやっていく中でもっと件数を扱いたいということで入所を目指したということですね。

H:そうですね、はい。

PT:今事件をかかえていらっしゃるんだと思いますが、『これは苦労するな』とか『大変だな』っていうことがあれば。なくてもいいですけど、例えば事件のこういうところが大変とか、あるいは事件を離れて書類の作成が時間かかるとか、なんでもいいですが苦労していることってありますか。じゃあ林田さん。

H:個別の案件というよりは、被後見人の方が急に入院されたり、お亡くなりになったり、色々なことが起こったりということで、緊急対応が起こった時に他の予定が入って重なって、どっちを優先するかどうかというスケジューリングが、なかなか件数が多くなってくると難しいなと感じるところはあります。個別の案件でいえば困難案件とよく言われる、何を持って困難案件っていうところもあるんですけれども、そういうケースもやっぱりパブリック法律事務所がかなり受けているかなと思っているので、難しい案件に対応するのはなかなか力がいるなと思っています。

PT:3年やってくるとなれていく部分もあると思うんですけど。難しい案件の対応やスケジューリングが変わってきた部分ってありますか。

H:個人でしているのではなく、法人で受けている心強さがあって、何かあれば(他の職員に対応を)お願いできることは、そういう意味では法人後見という形がすごい安心できていいなと思っています。

PT:はい、じゃあ梶原さんですね。ここで順番を変えるという。(入職して)1年目ですよね。どうですか。

K:大変なのは、本当に自分の知識がないので、今までやってきたことが本当に限られたところの限られた部分だけだったなぁと思いながら日々やっています。もうそこにつきますね。

PT:これまで前職の仕事って発達障害と知的障害のある方ですかね。もうある程度専門的に深くやっていく仕事だったと思うんですが、(今の仕事は)広いですかね、対象がどうなんですかね。

K:対象も広いですし必要となる動きもとても幅が広いなあと感じます。

PT:もう少し具体的に言うと、どんな感じに広いんですかね。

K:以前だと障害福祉サービスに乗る手前からしか私は携わらなかったのですが、後見の仕事になるともう本当にそのずっと手前の所から、まず住まいを整えるところから必要になったりとか、ほとんど関わらなかった生活保護のこととか、その辺は本当に経験のないことをしなければならなくて。ありがたいことに外部の機関の方と話すと『あーパブリックさんですね、じゃあわかりますよね』の感じでこられることも多くて、「すいません教えてください」っていうようなことも本当によくあります。

PT:専門的にやらないので、対象となってくるような法知識とか制度とかそういったものがどんどん増えていくイメージですかね。

K:そうですね。

PT:わかりました。じゃあ山本さんはどうですか。

Y:苦労していることですよね。苦労しているって言うか(身上監護を)やっている中でやっぱりどうしても立ち止まってしまう、『方向性としてこれでいいのかな』とかそういうのはもう毎日のようにありますし、大きく言えば在宅から施設に入るタイミングであるとかそういうところはやっぱりすごい悩みますし、いいのかなっていうのもずっとつきまといます。

PT:判断を求められる曲面が多いっていうことですかね。

Y:そうですね。何かしら判断はしていく必要性があると思うので。小さいことから大きいことまで、この判断は正しかったのかなって後になって思うことがすごく多いので、本当の正解ってあるのかなと思ったりします。

PT:それってこれまでの職務経験とは違うものですか。

Y:職務経験としては、(これまで)介護職をしていたので在宅にいる本人の状態とかを見たりして在宅で行けるなとか、ヘルパーさんにお願いしてまだ生活していけるなとかっていう面もあるんですけど、判断能力の低下とかで誰かに騙されるんじゃないかとかそういうところもあるので。

PT:その本人の身体的な部分に限らず、生活全般をこちらで見て本人のために判断するっていうところはこれまではそれほどなかったですか。

Y:支援者の方もおられるのでケア会議を持ちつつ、今後の方向性についても話しているんですが、なかなかタイミングと言うと、そういうところが苦労しますね。

PT:今日集まった皆さん前職があるっていう中で、比較というわけではないですけれども、自分の立ち位置・考え方が、この職業、パブリックに入ったことによって変わったっていうのはありますかね。割と首捻っているので・・・ないですか。

三人:(笑)。

PT:スタンスは一緒?

三人:・・・。

PT:弁護士と社会福祉士のスタンスってちょっと違うと思いません?これはみんな頷いているんですけど。自分の中で前職と今とでスタンスが変わったっていう感覚はないですかね。

K:スタンスが変わったっていう感覚はないですね。
Y:私もスタンスが変わったっていう認識はないですね。

PT:やっぱり福祉職というスタンスで一貫しているっていうことなんですかね。法律職である弁護士とちょっと同じ事件を見ていても見方が違うなと感じる事ってあると思うんですけれども、その辺はどうですか。どれぐらい頻繁に感じ、どうやって乗り越えていますか。弁護士ってなんでこんなに頭がまわらないんだろうっていう局面が絶対あると思うんです。

K:ないです(笑)。

PT:でも『違うな』って感じるところないですか。

Y:弁護士と社会福祉士が違うということですか?

PT:そうですね。法律職と福祉職の違いというか。これは林田さんに(笑)。

H:うーん、違いはあると思うんですけど、言葉で表現するのが難しいですね。山本さんに(笑)。
Y:・・・難しいですね、違い・・・梶原さんに(笑)。
K:弁護士と違いを感じることは、たまにはありますし、今、同じ視点で見てくださっているんだなって感じることももちろんあります。「違い」に着目すると『三角(△)でもいい』と思いながら進めているところが私には多いかなと思っています。何が正しいか正しくないかというところで『バツ(☓)じゃないならいい』って思いながら、私は被後見人の方を見ていることが多い気はします。

PT:あーなるほど!マル(○)とバツ(☓)の間ですね!

K:ごめんなさい伝わりづらくて。(他の参加者へ)そんなことないですか?・・あ、そうでもないみたいです。伝わってないなあ・・・・。

PT:では次、法律事務所が社会福祉士を雇用するということについて、もっとこういう工夫をした方がいいんじゃないかと気づいたことは何かありますか。これはあてないと答えづらいですよね。山本さんから。

Y:そうですね・・・法律事務所がっていうことですよね。

PT:法律事務所がこんな体制ならもっと働きやすいんじゃないかなということですかね。

Y:ちょっと考えます・・・。でも私はその弁護士の先生方もその社会福祉士として専門職として見てくださっている部分っていうのはすごく感じますし、だからといって(対応を)丸投げにしているわけでもないですし、今以上の工夫をと言われたら私は今ちょっと思いつかないですけど。

PT:あ、梶原さんが何か言いたげだ(笑)。

K:いや全然。ちゃんと林田さんが(メモで)答え考えてくださっているから。
H:いや書いてない、書いてない(笑)。

PT:あ、林田さんがありますね。何かありますか。

H:先程、山本さんも言われていましたけど、専門職として雇っていただきたい、お願いしたいなと。事務の部分を担うこともあると思うんですけど、社会福祉士ないし精神保健福祉士として雇っていただくのであれば、先生方の福祉士に対する理解であったり、どういうことを先生方が求めているのかなど逆に教えていただきたいなと。僕たち社会福祉士も『こういうことができるんだ』とアピールをしていかないといけないかな、専門職として見ていただいて雇っていただきたいところですね。

PT:ぶっちゃけ,待遇面は他の社会福祉士法人と比べると悪いですよね。そのへんは今後改善が必要でしょうね。・・・ノーコメントで。

三人:(笑)。

PT:最後の方になりますが、皆さん特徴あるバックグラウンドを持って入職されている方が多くて、そこが弁護士と違うかなと。弁護士ってほとんど新人で入ってきて、言い方は良くないですけれども、色がついてない状態で入ってくる人が多いので、そういった意味では多様な経験を背景に皆さんは入って来られていると思いますが、今後この事務所でこういった活動を深めていきたいとかそういうのってありますよね!

Y:誘導尋問ですね(笑)。

PT:梶原さんから。

K:私ちょっと(指名)多くないですか・・。

PT:いやわかんないけど、目が合うんです(笑)。

K:最初の話に戻るんですけど、ここで深めてやりたいことは意思決定支援の精度を上げたいというのが大きな目標で、最大限本人の意向を汲み取って後見人の業務にあたるようになりたいっていうのは大前提にあります。もう一つは発達障害の方の身体感覚の問題はずっと取り組んできたことなので、パブリックの動きとは少し離れるかもしれないですけど、これまでの経験もつなげて何か続けていきたいなというふうに考えています。

PT:発達障害の身体感覚の問題とは、例えばどんなことですか。

K:身体的には障害がないけれど、体を上手に動かせなかったり、最近よく言われているのが聴覚過敏とか視覚過敏とかそういう問題を抱えている方がとっても多いって言われていて、そこの部分を支援、取り組んでいきたいことの一つですね。

PT:それは考えたことがなかったですね。僕なんかでは。山本さんはどうですか。

Y:私は、広い概念ですけど権利擁護にもうちょっと深く関わっていきたいと思っていて、勉強会であるとか、そういう所に顔を出して勉強しながらやっていきたいなと思っています。

PT:特にこういった分野に興味があるとか、ここを深めていきたいとか専門的な方向に進んでいくイメージではないですか。

Y:目指すところはなんでも通用するっていう部分を目指したいんですけど、やっぱりそこに行くためには個々(の分野)をやっていかないといけないと思っているので、今現在は貧困問題等を勉強してやっていきたいなと思っています。

PT:そういう勉強するという意味で法律事務所っていうのはやりやすいですか,やりづらいですか。

Y:やりやすいと思います。

PT:どの辺りが?

Y:これ後見にも繋がるかと思うんですけど、被後見人さんのお金がなくなって、例えば生活保護の受給が開始になる場合に、制度とか仕組みを知る勉強にもなると思います。パブリックは、言い方が適切かどうか分かりませんけど、案件としてやってきている経験があるので、そこを自分なりに読み込んだり、こういう対応の仕方があるんだなっていうのはすごく勉強になると思います。

PT:やっぱり件数が多いってところに強みがありますかね。

Y:はい。

PT:わかりました。林田さんはどうですか。

H:先日、社会福祉士会主催の未成年研修を受ける機会がありまして、パブリック法律事務所で未成年後見件数はかなり少ないとは思うんですけれども、成年後見だけじゃなく、未成年後見・児童の分野等にも目を向けたいなと考えています。あと元々9年間は精神科ソーシャルワーカーと精神保健福祉士を名乗って仕事をやってきたっていうこともあって、精神保健福祉士での後見人というのが全国的にも件数がかなり少ないのでそういうところで専門士業と言われる中に精神保健福祉士も入っていけたらなと思っていて、今それも養成研修を、受講中なので社会福祉士としてもそうですけれども、精神保健福祉士としても成年後見に携わっていきたいなと思っています。

PT:あとはこちらからのお願いですが、是非刑事事件の意見書作成とか法廷での証言とか、少年事件の鑑別所訪問とかその辺にもぜひ興味を持って行っていただけたらと。興味ありますよね。

三人:(笑)。

PT:他にこれを言わなきゃいけなかったのに言ってないことありますかね。特になければこれで終わります。

三人:お疲れ様でした 。


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