岡山パブリック法律事務所 – ニュースレター第26号
【平成28年度ニュースレター⑤:憲法と平和(吉川拓威弁護士)】
約1年ぶりの事務所ニュースレターを発行しました。
発送作業は第一次を完了し,お手元にも届き始めていると思います。6頁と,ボリューム多めです。
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本日は,
  吉川拓威弁護士「憲法と平和」
を紹介いたします。

過日、岡山弁護士会主催の憲法委員会のイベントで、九州大学法学部教授の南野森(みなみのしげる)先生のお話しを伺う機会がありました。その中で私が、一番印象に残ったのは、「憲法というのは、国法秩序の中の最終的な授権規範であるけれども、その憲法が守られなかったり、無視されたりしたときに、どう考えたら良いのか。憲法の規範性を最終的に支えているのは何か。」という問いかけでした。もちろん、日本国憲法においては違憲立法審査権が司法権に与えられていますが、事実上機能しないということはあり得ます。
憲法の背後に、自然「法」というものを現実的・具体的に、あるいは裁判規範として前提にできるのであればともかく、自然「法」などというものは想定できない、仮に想定できても道徳的ないし仮定に過ぎないということであれば、憲法を支えているものは、それほど明確なものではなく、実際上は、私たちの「意識」が憲法であると認めている限りにおいて憲法が妥当しているともいえるのではないか、とも思われるのです。
近時、憲法の改正をしようとする動きが高まってきており、「お試し改憲」としての国家緊急権の創設や、憲法9条の改正が論議されています。実際に第二次世界大戦を経験した戦前派の方や戦中派の方が少なくなってきている中で、世界が狭くなり国家間の協力が不可欠な状況にあり、また、テロが多発する中で、「平和」を維持するためにはどうしたら良いのか、再度、真剣に考えなければならない時期に来ているように思います。積極的に軍隊を持ち、核の傘下にあったほうが抑止力が高まり「平和」が維持できるのだという議論もありますが、逆に、そのような行為が戦争への危険性を高めているのだという議論もあり、抽象的には判断が難しいところでもあります。
しかし、憲法を支えているのが、私たち一人ひとりの「意識」だとすると、国家対国家(あるいはA国対B、C国)というようなあまりにも大きな枠組みで「平和」を維持するための方策を考えることは、本当に「平和」のために必要なことを見失わせてしまうのではないかと、南野先生のお話しを伺いながら思いました。
弁護士である私が言う のも変なのですが、私たちは、日々生活するなかで、本当に些細なことで対立します。こじれれば暴力事件にもなりますし、裁判の紛争になることもあります。
このことも古くから言われてきたことだと思いますが、結局、私たちが、本当の意味で「平和」を維持しようと決意し、それを実践するためには、国家間の平和というような抽象的でわかりにくいことから始めるのではなく、本当に自分の身の回りのことから、自分の「意識」を変えていく必要があるのではないかと改めて思った次第です。そして、その身近な紛争を平和的に解決するためにはどのような方法をとるべきなのか、抽象的ではなく具体的に考える必要があると思いました。

岡山パブリック法律事務所 – ニュースレター第26号

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