岡山パブリック法律事務所における成年後見業務への取り組みについて

<広げる つなげる 支援の輪 想いをつなぐ パブリック>

第1 岡山パブリック法律事務所における受任数
全国的にも後見事件は増加の一方ではありますが,平成27年5月末時点において,当法人で受任している成年後見人等の受任数は,約500件です。それ以外に,NPOより当法人の弁護士が個人で受任している件数が約50件あります。
後見業務では,1年間の活動に応じて報酬が決定されますが,財産のない方から報酬を得ることは困難でした。
しかし,成年後見制度利用支援事業が充実してきたことは,法人受任をしやすくなった大きな要因でもあります。
第2 岡山パブリック法律事務所における後見業務における体制
1.社会福祉士による身上監護
後見業務は,財産管理のみならず,身上監護が業務とされています。不動産の売却や遺産分割等の財産管理は弁護士の専門業務ですが,介護保険や施設等の対応など,身上監護については,弁護士の得意分野とは言えません。
そのため,当法人では,身上監護の専門職である社会福祉士を8名雇用し,被後見人に最適な身上監護サービスを提供できるようにしています。
2.事務局による財産管理補助
後見業務では,後見人による横領等を危惧されているため,他の弁護士業務以上に,金銭管理業務が重要です。
当法人では,多数の金銭管理業務を行うため,事務局が財産管理補助担当となり,被後見人が日々の生活に困らないようサポートしています。
第3 新たなる挑戦 ~成年後見センターの設置~
当法人では,弁護士のみならず,社会福祉士が法人内に所属し,事務局と一体となって処理する後見業務のノウハウ,法人であるメリットを生かし,社会の需要に応えると共に,高品質のサービスを提供できるよう,後見業務に特化した成年後見センターを設置しました。
成年後見センターは,後見業務に専念する後見専従弁護士を配属し,全事件の進捗状況を正確に把握,管理をして,裁判所に正確,迅速な定期報告をすると共に,行政等の対外機関からの問合せ等に即時に対応し,対外的な信頼を獲得し,我が国において,名実ともに最高の後見業務の提供を可能にするセンターとなることを目的としています。
おそらく法律事務所による成年後見センター設置は全国初の取組と思います。全国初の取組についても,良い報告ができるように頑張ります。