スポーツ少年団活動奮闘記

子供の頃から,スポーツが好きだったのですが,私自身は,スポーツ少年団の経験はありませんでした。そのため,3年前に子供がとあるスポーツ少年団に入団した時も,まさか母親の自分までこんなに大変になるとは夢にも思っていませんでした・・・
 スポーツ少年団に入団して間もなく,週3日の練習には,基本的に母親も付き添わなければならず,最低でも月1~2回の鍵当番には夕方5時半に来て,体育館の鍵を開けたり,先生にお茶を出したり,練習のサポートをしなければならないことがわかり,認識の甘さを痛感しました。
また,小学校のバザーなどでは,スポーツ少年団でうどんやゲームのお店を出すので,その準備や当日の手伝いもしなければならないことがわかりました。
入団して1年目は,子供も,練習時間の前になると急に「お腹が痛い。練習行けれん・・・」と泣き始めることが度々あり,だったら辞めてくれ,こっちも大変なんだからと心の中で何度つぶやいたことでしょう!!
入団して2年目になると,団員が少ないため,子供は,低学年チームの選手となり,週3日の練習に加えて,日曜日も試合で潰れることになりました。
試合では,母親が場所取りをしたり,コーヒーを入れたりの仕事があり,右も左もわからず,先輩のお母さんに教わりながら,ひたすらに試合が終わるのを待っていました。もちろん,子供も試合に出てもすぐに負けてしまうので,おもしろくありません。
他のお母さんは楽しそうにスポーツ少年団の活動をされているのですが,常に自分のことでいっぱいいっぱいの私は,正直なところ,「負担」としか思えませんでした。
そこで,ベテランのお母さんに,「スポーツ少年団の活動は大変です。」と漏らしたところ,「どこが大変なん?私なんか,スポ少がなかったら,何していいかわからんわ。」と言われ,またスポ少を卒団したお母さんから「スポ少があっていいね。私なんか子供が団を卒業したら,生き甲斐がなくなったわ。」と言われました。
その頃の私は,先輩お母さんの言葉には共感できず,やっぱり子供には,早く卒団して欲しいと思ってしまいました。
ところが,入団して3年目になると,まず子供に変化が起こりました。
あれほど嫌がっていた強化練習にも積極的に参加するようになり,試合に対しての意
識が高くなりました。強化練習に定期的に参加する内に,レベルの高い子供と友達になり,刺激を受けたようです。また,同じスポ少の仲間が,岡山市の強化選手に選出され  
  たので,自分も来年は,絶対強化選手になりたいと思ったようです。
試合でもそこそこ勝てるようになると,子供は試合を楽しみにするようになりました。もちろん,メダルをとるためには4~5回は勝たなければならず,そう簡単にメダルを取ることはできません。大抵の場合,あと1回勝てばメダルがもらえる大事な試合で負けてしまい,涙腺のもろい子供は,負けた瞬間に号泣していました。
 ところが,つい最近,岡山市の大会の団体戦で,子供のチームは,小さな銅メダル
をもらいました。連戦連勝の強豪チームは,大会に出れば,いつもメダルをもらいま
すが,うちのスポ少にとっては,たとえ銅メダルでも快挙です。特に子供にとって,
大きな大会でのメダルは初めてです。家に帰ってからも,子供は,何度もメダルを嬉
しそうに見せてくれました。
 
  そしてとうとう,私にも変化が起こりました。今までは,スポ少の活動は,「負担」としか思ってなかったけど,むしろ,スポ少があるからこそ自分はがんばれるんだと気がつきました。練習にしろ,試合にしろ,子供は,純粋にひたすらにがんばっています。その姿を見て,心が洗われ,エネルギーをもらっているのは,むしろ母親である自分なのだと気がつきました。
 
「練習すればするほど強くなる」,これは子供も大人も同じです。
でも,「お母さんが熱心であれば,その分子供も強くなる」,これは子供特有の法則です。強いチーム,強い子供のお母さんは,ほぼ間違いなく熱心にスポ少の活動をされています。やっぱり,小学生くらいの子供は,お母さんに見てもらい,ほめてもらいたくて,がんばっているのです。
まだまだシーズンのこの時期は,試合が立て続けにあります。スケジュール帳を見ると,休みはない!!でも,母親を必要としてくれるのもあとわずか。スポ少の残りもそう長くはありませんから,子供と共に泣いて笑って,大切な時間を過ごしたいと思います。
子供のためにお母さんががんばるのは当たり前ですが,ボランティアで熱心に指導して下さる先生には本当にありがたく,感謝しています。
3年目にしていまだ鍵当番もろくにこなせず,私自身が練習に行く時間が遅いため,お母さんがするスポ少の仕事も手伝えず,その他全くお役に立てずに申し訳ありませんが,お母さん方のご理解と援助を得て,これからもがんばりたいと思います!